薄毛対策研究室

2025年11月
  • ミノキシジルの副作用外用薬と内服薬の違い

    医療

    AGA治療における「攻め」の薬として、発毛を強力に促進するのが「ミノキシジル」です。ミノキシジルには、頭皮に直接塗る「外用薬」と、錠剤を飲む「内服薬(ミノタブ)」の二種類がありますが、この二つは、副作用のリスクにおいて、大きな違いがあります。まず、「外用薬(塗り薬)」の副作用は、主に塗布した部分の皮膚に現れる「局所的」なものが中心です。最も一般的に見られるのが、頭皮のかゆみ、赤み、発疹、フケ、かぶれといった、接触皮膚炎の症状です。これは、ミノキシジルの成分自体が肌に合わない場合や、基剤として含まれるプロピレングリコールなどの添加物に対するアレルギー反応が原因で起こります。用法・用量を守っていれば、成分が全身に吸収される量はごくわずかなため、後述する内服薬のような全身性の副作用が起こる可能性は極めて低いとされています。一方、「内服薬(ミノタブ)」は、有効成分が血流に乗って全身を巡るため、その副作用もまた「全身性」のものとなります。ミノキシジルは、もともと血圧を下げる降圧剤であるため、その血管拡張作用が、心臓や血管系に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、血圧の低下によるめまいや立ちくらみ、心臓が過剰に働くことによる動悸や息切れ、胸の痛みといった症状です。また、体内の水分バランスに影響を与え、顔や手足がむくむこともあります。そして、見た目の変化として顕著なのが「多毛症」です。薬の成分が全身の毛根に作用するため、髪の毛だけでなく、腕や足、顔の産毛までが濃くなってしまうことがあります。これらの全身性の副作用のリスクがあるため、ミノキシジル内服薬は、日本ではAGA治療薬として承認されておらず、医師の厳格な管理下でのみ処方されるのです。外用薬の安全性と、内服薬の高い効果とリスク。この違いを正しく理解し、自分に合った治療法を選択することが求められます。

  • 甲状腺の異常が引き起こす脱毛の真実

    抜け毛

    抜け毛の原因は多岐にわたりますが、内科的な疾患が関わっているケースも少なくありません。その中でも特に注意が必要なのが、甲状腺機能の異常です。甲状腺は、喉仏の下あたりにある蝶のような形をした小さな臓器ですが、全身の細胞の新陳代謝をコントロールする甲状腺ホルモンを分泌する、非常に重要な役割を担っています。このホルモンのバランスが崩れると、体に様々な不調が現れ、その一つとして顕著なのが髪の毛の変化です。例えば、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症」、いわゆるバセドウ病では、新陳代謝が異常に活発になりすぎることでヘアサイクルが極端に短縮され、髪が十分に太く長く成長しないまま抜けてしまう「休止期脱毛」が起こります。その結果、髪全体が薄くなるびまん性の脱毛が見られます。髪質も細く柔らかくなる傾向があります。逆に、ホルモンの分泌が不足する「甲状腺機能低下症」、代表的なものに橋本病などがありますが、この場合は代謝が全体的に低下し、毛母細胞の活動も鈍くなります。これにより、髪の成長が遅れ、乾燥してパサパサになり、もろく抜けやすくなるのです。眉毛の外側三分の一が薄くなるのも特徴的な症状の一つとして知られています。これらの病気は、抜け毛だけでなく、亢進症では動悸や体重減少、異常な発汗、手の震え、イライラ感などを、低下症では強い倦怠感やむくみ、体重増加、気力の低下、便秘といった全く逆の全身症状を伴います。もし、原因不明の抜け毛と共にこうした症状に心当たりがある場合は、内分泌科や専門の内科を受診し、血液検査で甲状腺ホルモンの値を調べてもらうことが重要です。適切な治療によってホルモンバランスが正常に戻れば、髪の状態も改善される可能性が高いのです。

  • 私が経験したAGA治療薬の副作用と、その乗り越え方

    AGA

    僕がAGA治療を始めたのは、32歳の時だった。医師からフィナステリドとミノキシジル外用薬を処方され、希望を胸に、毎日欠かさず治療を続けた。効果は、驚くほど早く現れた。三ヶ月後には抜け毛が明らかに減り、半年後には、細かった髪にコシが出てきた。しかし、その喜びと同時に、僕は自分の体に起きた、ある小さな、しかし無視できない変化に気づいていた。それは、「性欲の低下」だった。以前に比べて、明らかに性的な関心が薄れている。パートナーとの関係にも、微妙な影を落とし始めていた。インターネットで調べると、それはフィナステリドの副作用として、稀に報告されている症状だった。「自分もその数パーセントに入ってしまったのか」。ショックだった。髪を取り戻す代わりに、男として大切なものを失ってしまうのか。僕は、治療をやめるべきか、深刻に悩んだ。一人で悩み抜いた末、僕は勇気を出して、クリニックの診察で、医師に正直に打ち明けた。恥ずかしかったが、もう背に腹は代えられなかった。僕の話を静かに聞いてくれた医師は、まず、それが薬の副作用である可能性と、一方で、仕事のストレスなど心理的な要因が関わっている可能性の両方を、丁寧に説明してくれた。そして、こう提案してくれた。「一度、薬の服用を隔日にしてみましょう。効果は少し落ちるかもしれませんが、副作用が軽減されることが多いです。それで様子を見てみませんか」。僕は、その提案を受け入れることにした。毎日飲んでいた薬を、一日おきに。すると、数週間後、以前のような感覚が、少しずつ戻ってくるのを実感できたのだ。そして、幸いなことに、抜け毛の量が再び増えることもなかった。あの時、一人で抱え込まず、正直に医師に相談して本当に良かったと、心から思う。副作用は、確かに怖い。でも、それは乗り越えられない壁ではない。専門家という頼れるパートナーと、正面から向き合う勇気さえあれば、必ず道は開けるのだと、僕は自身の経験を通じて学んだ。