AGA、男性型脱毛症の「治し方」として、薬物療法は非常に有効な手段ですが、それ以外にも様々な治療の選択肢が存在します。特に、薬物療法だけでは十分な効果が得られない場合や、より積極的かつ根本的な改善を望む場合には、これらの治療法が検討されることがあります。代表的なものとして、「自毛植毛」と「成長因子注入療法」が挙げられます。まず、「自毛植毛」は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部から、自身の毛髪を毛包ごと採取し、薄毛の気になる部分、例えば前頭部や頭頂部などに移植する外科的な手術です。移植された毛髪は、元の部位の性質を保ったまま生着し、その後も自然に成長を続けるため、非常に自然な仕上がりと持続的な効果が期待できます。薬物療法が「今ある髪を守り、育てる」というアプローチであるのに対し、自毛植毛は「髪がない部分に新たに髪を生やす」という、より直接的な解決策と言えるでしょう。手術であるため、費用が高額になることや、術後のダウンタイムが必要になること、一度に移植できる本数には限りがあることなどが考慮すべき点です。しかし、薬物療法の効果が出にくい方や、広範囲に薄毛が進行している方にとっては、大きな改善が期待できる有力な選択肢の一つとなります。次に、「成長因子注入療法」です。これには、HARG(ハーグ)療法やメソセラピー、PRP療法といった様々な呼称がありますが、基本的には、毛髪の成長を促進する様々な成長因子(グロースファクター)やビタミン、アミノ酸などの栄養素を、注射や特殊な機器を用いて頭皮に直接注入する治療法です。これにより、毛母細胞を活性化させ、発毛を促し、毛髪の質を改善する効果が期待されます。自身の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を用いるPRP療法も、この成長因子注入療法の一種として注目されています。薬物療法と併用することで、相乗効果が期待できる場合もあります。注入時の痛みや、効果を実感するまでに複数回の治療が必要になること、そして費用が比較的高額であることなどが検討すべき点です。これらの治療法以外にも、低出力レーザー照射療法やLED照射療法といった、光を用いた治療法も存在します。AGAの「治し方」は一つではありません。ご自身の症状や希望、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮し、専門医と十分に相談した上で、最適な治療法を選択することが重要です。
— AGA —
AGA治療薬以外の治し方。植毛や注入療法も選択肢
2019年5月23日