AGA

フィナステリドだけでは効かない?その理由と次の一手

AGA治療の第一選択薬としてフィナステリドは多くの方に有効性が認められている薬ですが、効果には個人差があり、効果不十分と感じる場合にはいくつかの原因が考えられます。まず、服用期間がまだ短いという可能性があります。フィナステリドの効果は比較的緩やかに現れるため、目に見える変化を実感するまでには、一般的に最低でも3ヶ月から6ヶ月、場合によってはそれ以上の継続が必要です。服用を始めて数週間や1、2ヶ月程度では、効果を判断するには早すぎる場合が多いのです。焦らず、医師の指示通りに服用を続けることが大切です。次に、AGAの進行度が既にかなり進んでいるというケースです。フィナステリドは主に抜け毛の進行を抑制する「守りの治療」としての性格が強いため、毛母細胞の働きが著しく低下してしまっているような重度のAGAに対しては、単独では十分な発毛効果が得られにくいことがあります。この場合は、医師と相談の上、より積極的な治療法へのステップアップを検討する必要があるかもしれません。また、薄毛の原因がAGAではない可能性も考慮しなければなりません。フィナステリドはAGAに特化した薬剤であり、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎に伴う脱毛、あるいは栄養不足や甲状腺機能異常など、他の原因による薄毛には効果を発揮しません。自己判断でAGAと思い込み服用している場合は、まず皮膚科を受診し、正確な診断を受けることが不可欠です。生活習慣の乱れも、フィナステリドの効果を十分に引き出せない一因となり得ます。不規則な食生活、睡眠不足、過度なストレス、喫煙といった要因は、頭皮環境を悪化させ、髪の成長を妨げます。薬物療法と並行して、これらの生活習慣を見直す努力も重要です。そして、ごく稀ではありますが、体質的にフィナステリドに対する反応性が低いという方も存在します。この場合、十分な期間服用し、生活習慣も改善しても効果が見られないことがあります。フィナステリド単独で効果が不十分と感じた場合の次の一手としては、まず処方医に相談することが第一です。医師は、原因を特定し、ミノキシジル外用薬の併用、より強力なDHT抑制効果を持つデュタステリドへの変更、あるいは成長因子注入療法など、他の治療選択肢を提案してくれるでしょう。