薄毛や抜け毛の悩みは、男女問わず多くの人々にとって深刻な問題です。その原因は様々ですが、体内のホルモンバランスの乱れが大きく関与しているケースが少なくありません。毛髪ホルモン量測定キットを利用することで、このホルモンバランスの状態を把握し、薄毛の原因究明や対策の一助となる可能性があります。まず、男性型脱毛症(AGA)との関連です。AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素の働きによってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の受容体に結合することで、毛髪の成長期を短縮させ、薄毛を引き起こすと考えられています。毛髪中のテストステロンやDHTの量を測定することで、AGAのリスクや進行度合いを推測する手がかりが得られるかもしれません。ただし、AGAの発症には遺伝的要因も大きく関わるため、ホルモン値だけで全てが判断できるわけではありません。次に、女性の薄毛との関連です。女性の薄毛も、ホルモンバランスの乱れが原因となることがあります。特に、女性ホルモンであるエストロゲンは、髪の成長を促進し、ハリやコシを保つ働きがあります。加齢やストレス、出産、閉経などによってエストロゲンの分泌が減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。また、甲状腺ホルモンの異常も、脱毛の原因となることが知られています。毛髪ホルモン量測定キットで、これらの性ホルモンや関連ホルモンのバランスを調べることで、女性の薄毛の原因を探るヒントが得られるかもしれません。さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールも薄毛と無関係ではありません。慢性的なストレスによってコルチゾールの分泌が過剰になると、血管が収縮して頭皮への血流が悪化したり、他のホルモンのバランスを乱したりして、結果的に抜け毛を促進する可能性があります。毛髪中のコルチゾール濃度を測定することで、ストレスが薄毛の一因となっていないかを確認することができます。ただし、繰り返しになりますが、毛髪ホルモン測定はあくまで補助的な検査です。薄毛の原因は複合的であることが多く、自己判断は禁物です。得られた結果をもとに、皮膚科や専門クリニックを受診し、医師による正確な診断と適切な治療を受けることが最も重要です。
— AGA —
薄毛とホルモン。毛髪ホルモン測定で何がわかる?
2024年6月4日