「20代で薄毛なんて信じられない」。そう思っていても、実際に髪の変化を感じ始めると、何とか自分で対策できないかと考えるのは自然なことです。インターネットやドラッグストアには、様々な育毛剤やシャンプー、サプリメントが溢れており、どれを選べば良いのか迷ってしまう人も多いでしょう。しかし、20代の薄毛に対するセルフケアで本当に効果を期待できるものは限られています。まず理解しておきたいのは、市販の育毛剤や育毛シャンプーの多くは、医薬品ではなく医薬部外品や化粧品に分類されるということです。これらは、頭皮環境を整えたり、血行を促進したり、髪にハリやコシを与えたりといった効果を目的としていますが、AGA(男性型脱毛症)のように明確な医学的メカニズムによって進行する薄毛に対して、発毛を促したり、進行を完全に止めたりするほどの強力な作用は期待できません。ただし、頭皮環境を清潔に保ち、健やかな髪が育つ土壌を整えるという意味では、適切なシャンプー選びや頭皮マッサージは有効なセルフケアと言えます。シャンプーは、自分の頭皮タイプ(乾燥肌、脂性肌など)に合ったものを選び、洗浄力が強すぎないアミノ酸系などの優しい成分のものを選ぶと良いでしょう。洗い方も重要で、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流すことが大切です。頭皮マッサージは、血行を促進し、毛根に栄養を行き渡りやすくする効果が期待できますが、力を入れすぎるとかえって頭皮を傷める可能性があるので注意が必要です。食事面では、髪の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することが基本です。特定の食品だけを大量に摂取するのではなく、多様な食材から栄養を摂ることを心がけましょう。睡眠不足やストレスも薄毛を悪化させる要因となるため、質の高い睡眠を確保し、適度な運動や趣味などでストレスを解消することも重要なセルフケアです。しかし、これらのセルフケアはあくまで補助的なものであり、AGAが原因である場合は、医学的な治療なしに改善することは難しいのが現実です。20代で薄毛の進行を感じたら、自己判断で高価な育毛グッズに手を出す前に、まずは専門医に相談し、正確な診断と適切なアドバイスを受けることが、最も効果的で確実な道と言えるでしょう。
— 抜け毛 —
20代の薄毛とセルフケア。本当に効果のある方法とは?
2019年6月5日