縮毛矯正は、強いくせ毛も美しいストレートヘアに変えることができる画期的な技術ですが、その一方で髪へのダメージが大きい施術であることも理解しておく必要があります。このダメージが蓄積すると、髪が細くなったり、抜けやすくなったりして、結果的に薄毛の印象を与えてしまうことがあります。では、縮毛矯正で髪が傷むメカニズムはどのようなものなのでしょうか。縮毛矯正のプロセスは、大きく分けて3つのステップから成り立っています。まず第1ステップは、「軟化・還元」です。1剤と呼ばれるアルカリ性の薬剤を髪に塗布し、髪の内部にあるシスチン結合というタンパク質の結合を切断します。このシスチン結合が髪の形状を決定しているため、これを切断することで髪を柔らかくし、まっすぐにしやすい状態にします。この際、アルカリ性の薬剤は髪のキューティクルを開く作用もあるため、髪内部の水分やタンパク質が流出しやすくなります。第2ステップは、「熱処理・成形」です。ストレートアイロンなどを使って、軟化した髪をまっすぐに伸ばし、熱を加えることで形状を固定します。この時、高温のアイロンを使用するため、髪のタンパク質が熱変性を起こし、硬くなったり、もろくなったりする可能性があります。特に水分が不足した状態で高温の熱を加えると、ダメージはより深刻になります。第3ステップは、「酸化・固定」です。2剤と呼ばれる酸化剤を塗布し、切断されていたシスチン結合を再結合させ、まっすぐな状態を固定します。この酸化プロセスも、髪にとっては負担となります。これらの化学的処理と物理的な熱処理が繰り返されることで、髪は以下のようなダメージを受けやすくなります。まず、キューティクルの損傷・剥離です。これにより、髪内部の水分や栄養分が流出しやすくなり、髪がパサついたり、ツヤが失われたりします。次に、髪内部のタンパク質の変性・流出です。これにより、髪が細くなったり、弱くなったり、切れやすくなったりします。さらに、薬剤が頭皮に付着した場合、頭皮の乾燥や炎症を引き起こし、フケやかゆみの原因となることもあります。頭皮環境が悪化すると、健康な髪の成長が妨げられ、抜け毛が増える可能性も出てきます。これらのダメージが蓄積し、髪一本一本が細く弱々しくなると、全体のボリュームが失われ、薄毛に見えてしまうことがあるのです。
— AGA —
縮毛矯正で髪が傷むメカニズムと薄毛への影響
2024年1月26日