薄毛対策研究室

2019年8月
  • 薄毛治療薬の種類と特徴。自分に合う薬は?

    AGA

    薄毛の悩みに対する治療法として、薬物療法は非常に重要な選択肢の一つです。現在、薄毛治療に用いられる主な薬には、内服薬と外用薬があり、それぞれ作用機序や特徴が異なります。自分の薄毛の原因や状態、ライフスタイルに合わせて、医師と相談しながら最適な薬を選択することが大切です。まず、内服薬の代表格として挙げられるのが、「フィナステリド」と「デュタステリド」です。これらは、主に男性型脱毛症(AGA)の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する働きがあります。DHTは、毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合し、毛髪の成長期を短縮させ、薄毛を進行させます。フィナステリドは、5αリダクターゼという酵素の一種(II型)を阻害することでDHTの生成を抑えます。一方、デュタステリドは、5αリダクターゼのI型とII型の両方を阻害するため、より強力にDHTの生成を抑制するとされています。これらの内服薬は、医師の処方が必要であり、継続的に服用することで抜け毛の進行を遅らせ、発毛を促す効果が期待できます。次に、外用薬として広く知られているのが「ミノキシジル」です。ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発されましたが、副作用として多毛が見られたことから、発毛剤として転用されました。その詳細な発毛メカニズムは完全には解明されていませんが、頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで、発毛を促し、毛髪の成長期を延長する効果があると考えられています。ミノキシジル外用薬は、薬局やドラッグストアでも購入可能な市販薬(第一類医薬品)と、クリニックで処方される医療用医薬品があります。濃度や剤形(ローション、フォームなど)も様々です。これらの薬以外にも、AGA治療においては、ミノキシジル内服薬(通称ミノタブ)が用いられることもありますが、これは国内では未承認薬であり、副作用のリスクも高いため、医師の厳重な管理下での使用が不可欠です。また、女性の薄毛治療においては、男性とは異なるアプローチが必要となり、ミノキシジル外用薬の低濃度のものや、パントガールなどのサプリメントに近い位置づけの治療薬が用いられることもあります。薬の選択は、薄毛の原因、進行度、性別、年齢、健康状態、そして副作用のリスクなどを総合的に見て医師が判断します。自己判断や個人輸入は避け、必ず専門医に相談しましょう。