薄毛対策研究室

2020年11月
  • 薄毛治療薬はいつまで続ける?中止するとどうなる?

    抜け毛

    薄毛治療、特にAGA(男性型脱毛症)の治療薬は、効果を実感し始めると「いつまで続ければ良いのだろうか」「薬をやめたら元に戻ってしまうのだろうか」といった疑問が生じるものです。これらの疑問に対する答えは、薄毛の原因や治療薬の種類、そして個人の状態によって異なりますが、一般的には長期的な視点での継続が必要となるケースが多いです。AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルは、対症療法であり、AGAの原因そのものを根本的に治す薬ではありません。フィナステリドやデュタステリドは、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することで、薄毛の進行を遅らせ、発毛を促します。ミノキシジルは、頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛をサポートします。これらの薬の効果は、服用・使用している間は持続しますが、中止すると薬の作用が失われ、AGAは再び進行し始める可能性が非常に高いです。具体的には、薬を中止してから数ヶ月から1年程度で、治療前の状態に戻ってしまう、あるいはさらに薄毛が進行してしまうことが一般的です。そのため、AGA治療薬は、効果を維持するためには基本的に継続的な使用が必要となります。では、「いつまで」という明確なゴールはあるのでしょうか。これは、患者さん自身の目標や満足度、ライフプラン、経済的な状況などによって異なります。ある程度の改善が見られ、その状態に満足しているのであれば、医師と相談の上で、薬の量を調整したり、服用頻度を減らしたりしながら「維持療法」に移行することも考えられます。しかし、完全に薬をやめてしまうと、再発のリスクが伴うことを理解しておく必要があります。また、年齢を重ねるにつれて、AGAの進行度合いや治療への反応も変化していく可能性があります。そのため、定期的に医師の診察を受け、髪の状態や体調の変化をチェックし、その都度最適な治療方針を医師と相談しながら決めていくことが重要です。自己判断で薬を中止したり、量を変更したりするのは非常に危険です。必ず医師の指示に従い、長期的な視点で治療計画を立て、根気強く取り組むことが、薄毛治療を成功させるための鍵となります。費用面での負担も考慮し、無理なく続けられる範囲で、医師と協力しながら最適な治療法を見つけていきましょう。

  • AGA治療の医療費控除。対象になるケースとならないケース

    かつら

    AGA(男性型脱毛症)治療は自由診療であり、高額になることも少なくありません。そのため、「治療費を医療費控除の対象にできないか」と考える方もいらっしゃるでしょう。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税の還付・軽減を受けられる制度です。しかし、結論から言うと、AGA治療費は原則として医療費控除の対象とはなりません。その理由は、AGA治療が「美容目的」と見なされるためです。医療費控除の対象となる医療費は、「医師又は歯科医師による診療又は治療の対価」とされていますが、これには「容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、原則として含まれない」という規定があります。AGA治療は、薄毛という外見上の悩みを改善することを主たる目的としているため、この「容姿を美化する」ための費用に該当すると判断されるのが一般的です。したがって、AGA治療のために支払った薬剤費(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)や診察料、検査費用などは、医療費控除の対象外となります。では、例外的に医療費控除の対象となるケースはあるのでしょうか。非常に稀なケースですが、もし薄毛の原因がAGAではなく、他の明確な「疾患」であり、その治療のために医療機関で診療を受け、薬剤を処方された場合には、その費用が医療費控除の対象となる可能性はあります。例えば、円形脱毛症や、甲状腺疾患、膠原病といった全身疾患に伴う脱毛症などがこれに該当し得ます。これらの場合、脱毛は疾患の症状の一つとして捉えられ、その治療は病気の治療の一環と見なされるためです。しかし、これはあくまでAGAとは異なる原因による脱毛症の場合であり、AGA治療そのものが医療費控除の対象になるわけではありません。また、AGA治療と並行して、他の保険適用の疾患の治療を受けている場合、その保険適用の治療費については当然医療費控除の対象となりますが、AGA治療費は別途分けて考える必要があります。医療費控除の適用については、最終的には税務署の判断となります。もし、ご自身の状況が医療費控除の対象となるか不明な場合は、管轄の税務署や税理士に相談することをお勧めします。しかし、AGA治療に関しては、原則として医療費控除の対象外であるという認識を持っておくことが重要です。