薄毛対策研究室

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  • AGA治療と初期脱毛の関係

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    意を決してAGA治療を開始したのに、数週間後から、なぜか以前よりも抜け毛が増えてきた。このショッキングな現象は「初期脱毛」と呼ばれ、多くの治療開始者を不安にさせます。「薬が合わないのでは?」「かえって悪化したのでは?」と、治療を中断してしまう人も少なくありません。しかし、この初期脱毛こそが、実は治療が順調に進んでいることを示す、ポジティブなサインである可能性が高いのです。初期脱毛は、主にミノキシジルなどの発毛を促進する治療を開始した際に起こりやすいとされています。そのメカニズムは、乱れていたヘアサイクルが、薬の作用によって正常な状態へとリセットされる過程で生じます。AGAが進行している頭皮では、多くの髪の毛が十分に成長できないまま、細く弱々しい「休止期」の状態で、いわば“抜け落ち待ち”をしています。そこに、ミノキシジルのような発毛促進成分が作用すると、毛母細胞が活性化され、その下から、新しく健康で力強い髪の毛が「成長期」に入り、生え始めます。この時、新しく力強い髪の毛が、すでに生えていた古い、弱々しい休止期の髪の毛を、押し出すようにして成長するため、一時的に抜け毛の総量が増加するのです。これは、いわば髪の毛の健全な「世代交代」であり、これから生えてくる丈夫な髪のための、スペース確保のための脱毛なのです。この初期脱毛は、通常、治療開始後2週間から1ヶ月半くらいの時期に始まり、1ヶ月から長くても3ヶ月程度で自然に収束します。抜け毛が増える期間は精神的に辛いものですが、これは治療が効いている証拠であり、むしろ効果が早く現れる人に見られやすい現象とも言えます。ここで不安に負けずに治療を継続することこそが、その先の確かな改善へと繋がる、最初の、そして最も重要な試練なのです。

  • フィナステリド・デュタステリドの副作用

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    AGA治療における「守り」の要として、抜け毛の進行を抑制する内服薬が「フィナステリド(商品名:プロペシアなど)」と「デュタステリド(商品名:ザガーロなど)」です。これらの薬は、AGAの根本原因である脱毛ホルモンDHTの生成を阻害するという、極めて効果的な作用を持っています。しかし、その作用が男性ホルモンに関連するため、いくつかの特有の副作用が報告されています。最も代表的なのが、「性機能に関する副作用」です。具体的には、性欲の減退、勃起機能不全(ED)、射精障害(射精量の減少など)といった症状です。これらの副作用が起こるメカニズムは完全には解明されていませんが、DHTが男性の性機能の一部を司っているため、その生成が抑制されることで影響が出るのではないかと考えられています。ただし、これらの副作用の発現頻度は、臨床試験において1%から5%程度と、決して高くはありません。つまり、100人服用したら、95人以上は何の問題も起こらない、ということです。また、これらの症状が現れた場合でも、多くは薬の服用を中止することで、元の状態に回復することが報告されています。次に、頻度はさらに稀ですが、「肝機能障害」の可能性も指摘されています。薬は肝臓で代謝されるため、もともと肝機能が低下している方や、日常的に多量のアルコールを摂取する方は、肝臓に負担がかかる可能性があります。そのため、多くのクリニックでは、治療開始前や治療中に、定期的に血液検査を行い、肝機能の数値(AST, ALTなど)をチェックします。このほか、精神的な副作用として、気分の落ち込みや抑うつ症状が、ごく稀に報告されることもあります。これらの副作用は、多くの人にとっては無縁のものです。しかし、医薬品である以上、リスクはゼロではないという事実を認識し、服用中に何か体調の変化を感じたら、些細なことでも、すぐに処方してくれた医師に相談することが、何よりも重要です-。

  • ミノキシジルの副作用外用薬と内服薬の違い

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    AGA治療における「攻め」の薬として、発毛を強力に促進するのが「ミノキシジル」です。ミノキシジルには、頭皮に直接塗る「外用薬」と、錠剤を飲む「内服薬(ミノタブ)」の二種類がありますが、この二つは、副作用のリスクにおいて、大きな違いがあります。まず、「外用薬(塗り薬)」の副作用は、主に塗布した部分の皮膚に現れる「局所的」なものが中心です。最も一般的に見られるのが、頭皮のかゆみ、赤み、発疹、フケ、かぶれといった、接触皮膚炎の症状です。これは、ミノキシジルの成分自体が肌に合わない場合や、基剤として含まれるプロピレングリコールなどの添加物に対するアレルギー反応が原因で起こります。用法・用量を守っていれば、成分が全身に吸収される量はごくわずかなため、後述する内服薬のような全身性の副作用が起こる可能性は極めて低いとされています。一方、「内服薬(ミノタブ)」は、有効成分が血流に乗って全身を巡るため、その副作用もまた「全身性」のものとなります。ミノキシジルは、もともと血圧を下げる降圧剤であるため、その血管拡張作用が、心臓や血管系に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、血圧の低下によるめまいや立ちくらみ、心臓が過剰に働くことによる動悸や息切れ、胸の痛みといった症状です。また、体内の水分バランスに影響を与え、顔や手足がむくむこともあります。そして、見た目の変化として顕著なのが「多毛症」です。薬の成分が全身の毛根に作用するため、髪の毛だけでなく、腕や足、顔の産毛までが濃くなってしまうことがあります。これらの全身性の副作用のリスクがあるため、ミノキシジル内服薬は、日本ではAGA治療薬として承認されておらず、医師の厳格な管理下でのみ処方されるのです。外用薬の安全性と、内服薬の高い効果とリスク。この違いを正しく理解し、自分に合った治療法を選択することが求められます。