それは本当に突然のことでした。いつものように朝、髪をとかしていると、ブラシに信じられないほどの量の髪の毛が絡みついていたのです。最初は寝癖がひどいだけかと思いましたが、その日からシャンプーのたびに排水溝が真っ黒になり、部屋の床には常に自分の髪の毛が落ちている状態になりました。髪を束ねたときの毛束が以前の半分くらいに感じられ、鏡で分け目を見ると、地肌がくっきりと見えてしまい、心臓がどきりとしました。インターネットで「抜け毛、急に」と検索すると、ストレスや生活習慣の乱れといったありふれた原因と共に、「病気」という恐ろしい文字が目に飛び込んできます。甲状腺、自己免疫疾患、貧血。知らない病名が並び、読めば読むほど自分の症状と重なるような気がして、夜も眠れないほどの不安に襲われました。このまま髪が全部なくなってしまったらどうしよう。そんな恐怖に耐えきれず、私は意を決して皮膚科の門を叩きました。待合室では、他人の視線が自分の頭に突き刺さるような気がして落ち着きませんでした。診察室で自分の髪を見せ、症状を話すのはとても勇気がいることでしたが、医師は私の話を真摯に聞いてくれました。そして、いくつかの質問と視診の後、血液検査をすることになったのです。結果を待つ数日間は生きた心地がしませんでしたが、診断の結果は「鉄欠乏性貧血」でした。幸いにも深刻な病気ではありませんでしたが、体内の鉄分が極端に不足していたのです。医師からの具体的な食事指導と鉄剤の処方によって、数ヶ月後には抜け毛も落ち着き、分け目から短い新しい髪が生えてくるのが分かりました。あの時、一人で悩み続けずに専門家の助けを求めて本当に良かったと心から思います。もし同じように悩んでいる人がいるなら、どうか一人で抱え込まず、勇気を出して一歩を踏み出してほしいです。
私の髪がごっそり抜けたあの日のこと